08:59 13-11-2025

GMとステランティスが中国依存を見直し—2027年までに調達先転換と生産の現地化を推進

米国の自動車メーカー、ゼネラル・モーターズ(GM)とステランティスが、サプライチェーンの大規模な立て直しに動き出した。ロイターによると、GMは数千社に及ぶ取引先に対し、中国での部品調達をやめ、代替サプライヤーを確保するよう求めており、期限は2027年に設定された。

背景には地政学リスクの高まりと、中国メーカーへの依存を抑えたいという両社の狙いがある。ステランティスも調達戦略を見直し、物流管理を引き締め、生産の現地化を一段と進める構えだ。実務の現場では、拙速な関係解消ではなく、ルートの組み替えや取引先の監査を丁寧に積み重ねる段階的な移行が現実的だ。購買チームには手順に忠実な運用が求められる。

両社は、世界の不確実性が高まるなかでサプライチェーンの強靭性を高めることを最優先に据える姿勢を示している。自動車業界にとっては、新たな局面の入り口になり得る。今後のモデルは中国製部品への依存度が下がり、経営判断もリスク管理の視点がより色濃く反映されていきそうだ。期限が切られた取り組みだけに、切り替えの精度と足並みが結果を左右する。