03:37 16-11-2025
ヒョンデEVの加速を支える2-Stageモーターシステムと12スイッチインバーターの仕組み
ヒョンデは、電動モーターの仕組みと、同社EVの加速がなぜあれほど頼もしいのかを解説する詳細な解説を公開した。その駆動系の核は、モーター本体、減速ギア、そしてインバーターの3要素。インバーターはバッテリーの直流を交流に変換し、ステーター内に回転磁界を生み出す。この磁界がペダル操作とほぼ同時にローターを回し始め、反応が肩の力の抜けたように自然に感じられる。
さらに興味深いのは、重量をほとんど増やさずに出力を引き上げる設定だ。ヒョンデは、電圧や電流を上げればパワーは増やせるものの、その方法ではシステムが重くなり冷却も難しくなると説明する。そこで同社は別の道を選び、2-Stage Motor Systemを開発。スペックの見せ場より、実際に使える速さを優先した巧みな解だ。
インバーターには電力用スイッチを通常の2倍、6個ではなく12個搭載。日常走行では最初の6個だけが作動し、ドライバーがアクセルを踏み切ると12個すべてが立ち上がって電圧をおよそ70%引き上げる。あの一気に押し出すような加速はここから生まれる。IONIQ 5 NやKia EV6 GTで際立つ持ち味だ。
重要なのは、質量増が最小限に抑えられていること。従来9個あったパワーエレクトロニクスモジュールを3個に統合し、インバーター自体をよりコンパクトにまとめた。数字以上に走りの潔さで実感できる、気持ちのいいパッケージングだ。