20:13 16-11-2025
チューニング史を変えたホイール5選——RSワタナベ、American Racing Torq Thrust、OZスーパーツーリズモ、BBS RS、Volk Racing TE37
カルト的なホイールデザインがなければ、チューニングの世界は今とまるで違っていただろう。多くの愛好家にとって、ホイールは最初の本格アップグレード——スタンスの調整、バネ下重量の削減、あるいはハンドリングの切れ味向上のために選ばれてきた。Tarantas Newsの記者たちは、シーンを形作ったモデルを選び出した。思い返すと、その選択にはうなずけるものが多い。
最も影響力のある存在のひとつが、日本のRSワタナベ・エイトスポーク。1968年に登場し、黎明期のJDMカルチャーの名刺代わりとなった。細身の8本スポークとミニマルなシルエットは、いまも世界各地のレトロビルドで見かける。流行よりも整った幾何学のほうが時の試練に強いことを物語る。
アメリカ流の代表は、American Racing Torq Thrust。1950年代後半に生まれた「マグネシウム」の5本スポークは、やがてマッスル時代のアイコンに育った。ホイール界のコンバースにたとえられることが多く、汎用性が高く、一目でわかり、そして時間に左右されにくい。
ヨーロッパを体現するのはOZスーパーツーリズモ。WRCとシトロエンのローブの勝利に着想を得た多本スポークだ。のちにサーキット用、SUV向け、ヘビーデューティ仕様へと派生が広がり、見た目だけでなく目的にかなう選択としての評価を固めた。合理性のある美しさは、使い手にとって説得力がある。
BBS RSは特筆に値する。格子状のパターンはスタイルのベンチマークとなり、モジュラー構造により、ホイール全体を交換せずにリップの入れ替えやダメージの修復ができた。ここまで長くカルト的地位を保ったデザインは多くない。ガレージでの扱いやすさも魅力だ。
そしてもちろん、Volk Racing TE37。日本製の鍛造ホイールで、オリジナルでは3.7kgという軽さと、頼れる強度を兼ね備える。6本スポークの造形はスピードの略号となり、重量と剛性のほぼ理想的な均衡を示した。いま見ても、そのレシピは実にしっくりくる。