09:43 18-11-2025
BMW Mの電動化が本格始動:M3 EVとiX3 Mプロトがスペインで目撃、2027年に量産へ
BMWは、M部門から初となる完全電動モデルの投入に向けて準備を進めている。スペインでは、新型の M3 EV(コードZA0)と高性能 iX3 M(ZA5)のプロトタイプが目撃され、いずれもノイエ・クラッセのプラットフォームを採用するという。電動のM3が2027年に量産へと進むのは、BMW Mにとって大きな転換点だ。
プロポーションに関しては、EV版は近く登場するガソリンのM350に近い。こちらは現行M340iの後継となる見込みだ。一方でBMWは内燃を捨てていない。改良版のB47/B48直4を積む320dと320のテスト車に加え、Euro 7対応へ手が入った直6を積む新M350も確認されている。電動とICEを並行して磨く姿勢から、どちらのファンも置き去りにしない構えが見えてくる。
電動M3は高出力のeモジュールを複数搭載する見込みで、総合出力は700ps超になるという噂もある。3モーター構成なら、その数字はさらに伸びる可能性も示唆されている。想定される車重は2トン超だが、スロットルの立ち上がりの鋭さと厚いトルクが日常域での重さを打ち消すはず。EVではおなじみのトレードオフだが、鍵を握るのはスロットルとシャシーの緻密なチューニングだろう。
プロトタイプが履くタイヤは本気だ。M3は後輪に295/35 R20を装着し、現行のM3コンペティションよりもワイド。iX3 Mは前後とも285/35 R22を履く。サイズ選びからは、メカニカルグリップとスタビリティを強く意識していることがうかがえる。正式発表は2027年末が想定されており、そのタイミングでBMWは電動時代に向けたMの刷新戦略を示す計画だ。