17:18 03-05-2026
次世代マツダMX-5:ファンと共に紡ぐ、変わらぬロードスターDNA
マツダは次世代のMX-5(海外名:ミアータ)の開発をすでにスタートさせている。登場までにはまだ数年を要するが、開発陣の目指すところは明快だ。このロードスターは、愛される理由をそのままに、さらに進化する。
マツダ・イタリアのマネージングディレクター、ロベルト・ピエトラントニオ氏は、日本のエンジニアがイタリアのオーナーズクラブと対話するために訪伊したことを明かした。同様の集まりは欧州外でも開かれており、米国や豪州などからも意見を吸い上げている。そこから浮かび上がったのは、一貫してMX-5のDNAを守り抜いてほしいという強い思いだった。
この考えをピエトラントニオ氏は、将来クルマが空を飛べるようになったとしても、MX-5はドライバーを笑顔にし続けるクルマであり続けると表現した。
この言葉は単なるキャッチコピーではない。MX-5の魅力の源泉は、カタログスペックの数字ではない。軽量ボディ、ダイレクトな接地感、直感的な操縦性―そうした走りの感触こそが、すべての土台だ。したがって、次期型がスポーツカーらしいパフォーマンス数値を競う公算は小さい。その代わりにマツダが取り組むのは、最新の規制や安全装備をクリアし、おそらくは何らかの電動化も織り込みながら、このクルマを鈍重なガジェットの類には絶対にしないことだ。
イタリアも重要な役割を担っている。ピエトラントニオ氏によれば、欧州、特にイタリア、ドイツ、英国は、MX-5の一大マーケットだ。だからこそ、現地エンスージアストの声は、ただ丁寧に受け取るだけで終わらない。体系的にエンジニアへとインプットされる仕組みができているのである。
同様の哲学は、他のマツダ車にも行き渡っている。CX-60はその好例だ。2022年の発売以来、2026年までに3度目のアップデートが予定されており、足回りやステアリング、遮音材、安全装備にまで手が加えられた。マツダはこれを「カイゼン」と呼ぶ。現場のユーザーの声を開発に活かし、少しずつ改善を重ねる手法だ。
新型MX-5では、その重みがさらに増す。クロスオーバーなら改良でカバーできる部分も、キャラクターを失ったロードスターをファンは決して許容しない。だからこそ、単なる要望集めには終わらせない。マツダは、変えてよい領域と、決して変えてはならない核心との線引きを、入念に行っているのである。