06:14 22-11-2025

ミラノ・オートクラシカでマセラティMC20 Cielo『Opera d’Arte』披露—15色アートとBottegafuoriserie

マセラティはミラノ・オートクラシカで、唯一無二のMC20 Cielo「Opera d’Arte」を披露した。1年以上を費やし、数千時間に及ぶ手仕事で仕上げられたこの一台は、Fuoriserieプログラムの枠組みで生まれたもの。ブランドがパーソナライゼーションにどこまで踏み込めるのかを、具体的に示す存在だ。

ボディには、鮮やかなイエローからエレクトリックグリーンまで15色をつなぐアートペイントが走る。すべての色は手作業で塗り重ねられ、一部の要素にはレーザー技法も用いられた。ホイールに至るまで、この仕様のために専用設計。全体の佇まいは、一般的なリバリーというより、走るギャラリーピースに近いと感じられる。

maserati.com

キャビンでは、アルカンターラとレザー、カーボンファイバーが調和し、レーザーで描いたパターンがアクセントになる。すべてのコンポーネントが手仕上げで、その唯一性を際立たせる。一方でメカニズムは、MC20シリーズ共通の3.0リッターV6「Nettuno」を継承。ハードを刷新するより、このモデルの核となるアイデンティティを守り切る判断が、特別仕様の説得力を高めているように映る。

同時にマセラティは、アルファロメオとともに立ち上げた新たなカスタマイズ/レストアの取り組み「Bottegafuoriserie」も発表。複雑なビスポーク案件を担い、究極の独自性を求めるコレクターや購入者に向けて、選択肢をさらに広げていくという。妥協のない“純正バックアップの個性”を望む層にとって、きわめて自然な流れに映る。