12:49 23-11-2025

トヨタ、主力車のモデルサイクルを9年へ長期化。価格戦略の見直しとSDV化で価値を守る

トヨタが数十年ぶりに製品戦略を大きく刷新する。主力車種のモデルサイクルを9年に延ばす方針だ。従来の5年単位からの転換で、安定した需要と高い残価を背景にした判断。理屈は明快で、RAV4やプラド、ランドクルーザーは勢いを落とさず売れ続け、納車待ちは数カ月に及ぶと32CARS.RUの記者は伝えている。

価格面でも舵を切る。モデル末期の値引きはやめ、卸価格は需要だけに連動して柔軟に調整する。これにより品薄の緩和と中古車価値の下支えを狙う。世界的に製造コストが上昇するなか、現実的で、モデルライフ全体の価格の振れ幅を抑える効果が見込める。短期的な台数より価値の維持を優先する姿勢がにじむ。

戦略の核心はソフトウェア定義型車両への転換だ。定期的なOTAアップデートで機能を加え、インターフェースを磨き、運転支援機能も拡張する。車体構造を大きく変えずに鮮度を保てるため、モデルの寿命を長くし、新規プラットフォーム投入の頻度を抑えつつ、所有体験の読みやすさも高められる。ハードに縛られない進化は、長いサイクルとの相性がいい。

購入者にとっては、買った直後に古く見えてしまうリスクが下がり、モデルライフを通じた価格も安定しやすい。待ち行列が長く、コストも上がり続ける市場では、この見通しの良さは価値が大きい。安心して順番を待てる環境に近づくはずだ。