15:17 23-11-2025
広州で披露されたキャデラックCT6/XT5/XT4の中国仕様を解説
セダンのCT6は、ブランドらしい存在感を崩さない。堂々たるグリルとX字モチーフが目を引き、フロントまわりはクリーンでハイテク志向にまとめられている。ヘッドライトは9分割の細身LEDで構成され、スマートマトリクス照明は7つの作動モードを持ち、対向車への幻惑を抑える。
ボンネットの下には2.0Lターボ(174 kW、350 N·m)と10速ATの組み合わせ。0-100 km/hは7.47秒、最高速は230 km/h。電子制御のアダプティブサスペンションは、移動中の快適さとコーナーでの安心感を狙っている。数値からも、俊敏さと落ち着きを両立させたい意図が読み取れる。
ミドルサイズのXT5も広州に登場。キャビンは最新のキャデラック流で、計器とインフォテインメントをひとつに束ねた33インチのワイドディスプレイを中心に、空調操作はフルタッチ式だ。ダッシュボードには幅広のデコラティブパネル、126色のアンビエントライト、シートはナッパレザー。後席後ろの荷室は653リットル。視覚的な一体感が強く、操作系の整理も進んだ印象だ。
中国市場向けにアナウンスされたエンジンは、GM-SAICの2.0L LXHターボ直4のみで、最高出力は従来の237 hpではなく230 hp。駆動方式は前輪駆動または四輪駆動が選べ、9速ATは初代から継続採用となる。出力を控えめに整えた設定は、効率重視のメッセージとして伝わってくる。
ブースの締め役はXT4クロスオーバー。中国でのエントリーモデルという位置づけで、このセグメントらしいハードウェアを用いる。1.5Lターボ直4(211 hp、270 N·m)に9速AT、駆動は前輪のみ。ここではTripower技術は採用されず、2気筒休止や可変バルブリフト、凝った冷却システムは省かれるが、それでもWLTC複合の燃費は100 kmあたり7.25 Lと理にかなっている。装備の取捨選択は現実的で、コストと実用の折り合いを丁寧に取った印象だ。