06:11 25-11-2025
MG/SAICがAntingで全固体電池ライン始動、2027年量産へ—QingTaoと提携し寒冷地性能も強化
MGを傘下に持つSAICグループは、Anting工場でQingTao Power初の全固体電池生産ラインを立ち上げたと発表した。年内にパイロットサンプルを出荷し、2026年に車載試験、2027年に量産開始を予定するという。スペック上では、これでMGは全固体電池の競争で先頭集団に入り、トヨタをはじめ多くのライバルより一歩先んじる構図になる。
目標値は400 Wh/kgと820 Wh/L。過熱や電気的破壊への耐性に加え、低温下でも容量の90%超を維持できる寒冷時の強さも掲げる。氷点下が長く続く地域では、所有体験を実質的に変えうる組み合わせだ。
同時にMGは橋渡し策も用意する。電解質の液体成分をわずか5%に抑えたセミソリッド電池を載せる量販モデル、MG4だ。数値は現状控えめ(180 Wh/kg)ながら、–7℃ではLFP比で航続距離が約14%伸びる。移行期の現実解としては理にかなっている。
一方でトヨタはより慎重だ。全固体電池の実用化は早くても2028年、量産立ち上げは2030年以降で、初期計画では年間1万台規模のEVに限定される見通しとされる。
もしSAICとQingTaoが計画通りに進めば、MGは決定的な優位を得られるかもしれない。コストを下げつつ、イメージリーダーのCybersterだけでなく量販のコアモデルにも技術が行き渡れば、そのインパクトは大きい。競争が激しいEV市場では、最終的に明暗を分けるのは実行の確かさだ。