03:35 26-11-2025

交換2分でEV航続を最大300km延長、改良版バッテリートレーラーFar-a-Dayが2026年から実証開始

フランスの開発者ジャン=バティスト・セガールが、電気自動車の航続距離を伸ばすためのバッテリートレーラー「Far-a-Day」の改良版を披露した。この構想では、高速道路の出入口にステーションを設け、残量の少ないモジュールを満充電のものと2分足らずで交換できるとしている。

far-a-day.com

重量は約500kg。トレーラーには60kWhのバッテリーを搭載し、クルマとは自動で接続される。航続距離は最大で300km分を上乗せでき、小型EVが急速充電で得られる増加分を大きく超える。たとえば40kWhのバッテリーを積むコンパクトなシトロエン e-C3は、高速道路でおよそ220kmを走れるが、Far-a-Dayのトレーラーを組み合わせれば、総走行可能距離は長距離移動に強い乗用車と肩を並べるレベルに達する。たまのロングドライブに限って必要な分だけ“積み増す”という発想は、毎日大きな電池を抱えて走るよりもずっとクリーンで理にかなっている。

初の実証ルートは2026年にパリ—ボルドー間で計画されている。2027年までにはおよそ30のステーションにまで拡張される見込みだという。開発陣は、エネルギーのコストは急速充電と同程度になると見ている。狙いは小容量バッテリーのEVオーナーで、普段は不要でも、ときに航続の“上積み”が欠かせない層だ。制約は明快で、牽引が認可され、ヒッチメンバーを備えた車両であることが前提となる。