06:00 26-11-2025

伝説のシュコダ 100を再解釈:リアウインドウを廃した電動コンセプト

シュコダはオンライン企画「Icons Get a Makeover」をさらに広げ、伝説のセダン「シュコダ 100」を新たに描き直した。1969年から1977年にかけて生産され、ブランドで初めて累計100万台の大台を超えたその名が、いま滑らかな電動コンセプトとして復活。ただし意外な仕掛けがある。リアウインドウが存在しないのだ。

プロジェクトの発案者でデザイナーのマルティン・パツルトは、これはレストモッドでも忠実な復刻でもなく、プレミアムEVとしてゼロから練り直した提案だと示している。一方で原典へのまなざしは巧みに残される。前後のライトバンドは往年のクロームパーツや通気グリルを想起させ、オーバルのグラフィックはシュコダ 100の象徴的なモチーフを響かせる。その引用は肩の力が抜けていて、懐古に寄りかかるのではなく、節度あるオマージュとして素直に入ってくる。

skoda-storyboard.com

最も大胆なのは、リアウインドウをあえて廃した点だ。シュコダによれば、これにより電動駆動用の新しい冷却システムを構築でき、吸気口をボディ高い位置に配置する発想が開けたという。レイアウトも家系の文脈を保ち、モーターは往年のガソリン時代と同じくリアアクスル上に搭載される。ただし今回は電動ユニットだ。結果としてシルエットはいっそうクリーンに整い、過去にウインクするような趣が生まれている。控えめながら要点を押さえたまとめ方で、写真越しでも説得力がにじむ。