06:18 29-11-2025

欧州のEV充電は不足していない?IONITYが語る高出力化と稼働率、2030年の展望

ヨーロッパは充電ポイントが不足している——そんな決まり文句に、IONITYが反論した。同社の戦略責任者によれば、真の課題は別にある。高出力充電器の整備ペースが、路上を走る電気自動車の台数を上回っているというのだ。ドイツは象徴的な例で、1ステーションあたりの車両数はおよそ60台。これでは運営側が投資を回収しつつネットワークを拡大していくには心許ない。需要の伸びよりインフラの整備が先行すれば、事業モデルに負荷がかかるのは避けられない。直感には逆らう話に聞こえるが、急速充電プロジェクトの稼働率という観点では筋が通る。

2030年を見据えると、IONITYは充電の約40%が公共の場所で行われ、そのうちの3分の2が都市部を含む高出力サイトになると見込む。この見通しが、同社が低出力器を無数に並べるのではなく、急速充電ネットワークに軸足を置く理由だ。ドライバーにとっても運営側にとっても、数の多さより“速さ”の価値が勝る——そんな空気感は、現場の体験とも合致する。

また幹部は、いわゆる“航続距離不安”はもはや日常の現実を映していないと指摘した。夏場の高速道路のステーションでは、他国からのドライバーが長距離移動を難なくこなす姿が大半を占めるという。その経験は、ヨーロッパのネットワークがすでに実用域に達し、電気自動車での移動を大きな制約なく支えられていることを示している。