17:00 01-12-2025

ヴォルシュタイナーが磨き上げたフェラーリ458イタリア:SEMA 2025発のフルレストア&新ボディキット詳報

フェラーリ458イタリアは、すでに現代の名車としての評価を確立している。それでも米国拠点のチューナー、ヴォルシュタイナーは、象徴的な1台であっても磨き上げる余地はあると示してみせた。SEMA 2025の会場で、同社は新たなレストレーション・プログラムのもとで仕立てたフルレストア車を公開。仕上げの細やかさは見事で、完成車から受ける印象と実年式が結び付かないほどだ。

458イタリアは、自然吸気のV8(570馬力)を積む最後のフェラーリであり、同ブランドにとってのピニンファリーナ最終作でもある。だからこそ関心は高まり続けている。一方でフェラーリ本体による公式レストアは手が届きにくい価格帯で、その隙をヴォルシュタイナーが自信を持って埋めにきた。

用意されたパッケージは、488ピスタへのオマージュを感じさせる新設計のフロントバンパーに始まり、センター出し3本のエキゾーストと大ぶりのディフューザーを組み合わせたリアエンド、サイドスカートやワイドなスプリッターまで手が入る。大きめのカーボン製リアウイングも装備し、テールランプは458のボディに合わせて加工した488由来の新しいユニットへ換装。足元は前後20/21インチのマグネシウムホイールでまとめた。

ヴォルシュタイナーは出力向上を謳わず、あくまで見た目の完成度に照準を合わせた。この割り切りは理にかなっている。プログラムは総額で約€90,000。内訳はボディキットが€58,000〜€68,000、作業工賃が€3,900、ホイールがさらに€15,000となる。仕上がりは説得力十分で、多くのファンが思い描く理想の458イタリアにかなり近い。肝心なのは、アフターマーケット然とした寄せ集めに見えず、きちんと458そのものとして感じられることだ。