04:38 04-12-2025

MBUX 3.3が70万台にOTA配信、空間オーディオ強化と新MBUX Calendar

メルセデス・ベンツは、MBUX 3.3 に対する大規模なOTA(無線)アップデートを展開し、世界で70万台超の車両に届くという。軸足はエンタメと日常の使い勝手にしっかり置かれている。Amazon Music、Audible、TidalのコンテンツでDolby Atmosに対応し、さらにソニー・ピクチャーズのRIDEVU向けにDTS:Xサラウンドを用いたIMAX Enhanced再生(対象作品のみ)も追加。クルマの使い方が変わった今に合わせた、タイムリーな方向転換に感じられる。

アップデートの対象はMBUX第3世代を搭載するモデルで、GLC、Cクラス、CLE、Eクラスなど。空間オーディオを有効にすると、再生音はステージのような存在感を帯び、奥行きや明瞭さ、音場の広がりが一段と際立つ。とりわけ、こうしたフォーマットでマスタリングされた楽曲やオーディオブックで差が出る。

もう一つの見どころは、新しい「MBUX Calendar」アプリ。従来のIn-Car Calendarに代わるもので、シングルサインオンに対応し、カレンダーがNotesやMeetingsとつながる。つまり、予定の作成から管理まで、車内のインターフェースでシームレスに完結する。実用面でも気が利いており、次のアポイント先までのルートを自動で引けるほか、Microsoft Teamsの通話をアプリから直接起動できる。

音声アシスタントも守備範囲を広げた。ドライバーは短いデイリーブリーフィングや要点のクイックサマリーをリクエストできる。道中の小休止には「Gamepack」も用意され、待ち時間に遊べるレトロ風ミニゲームがまとめられている。移動の合間を退屈させない工夫として、日常の車内体験にうまく寄り添っている。