08:43 05-12-2025
GR GT/GR GT3、Lexus LFAコンセプト登場—TGRが磨き上げた新世代フラッグシップスポーツ
公開された3台は、TMCのフラッグシップ・スポーツとして位置づけられ、トヨタ2000GTとレクサスLFAの系譜を継ぐ存在だ。共通の哲学のもとで共同開発され、低重心、軽量・高剛性、そして空力性能の徹底追求という三つの核を共有する。要件はきわめて純度が高い。低く、軽く、空気を切り裂く。いま求められるスポーツカーの要諦を端的に突いた方向性と言える。
GR GT
GR GTは、モータースポーツの学びを糧に常に「より良いクルマ」を目指すTGRの思想を体現する新たな旗艦スポーツだ。初期コンセプト段階から、master driverのMorizo、プロレーサーのTatsuya Kataoka、Hiroaki Ishiura、Naoya Gamo、ジェントルマンドライバーのDaisuke Toyoda、さらに社内テストドライバーまで幅広いドライバーが関与。開発を通じて優先されたのはドライバー視点で、着座姿勢を起点に細部まで徹底して作り込まれた。シェイクダウンから限界まで走らせ、直してまた走るというサイクルで熟成を重ねる手法は他のGR製品と同じだが、この反復は走りの手応えをクルマの芯に刻み込む。
フロントエンジン・後輪駆動のレイアウトを採るGR GTは、極めて低い重心、トヨタ初のオールアルミボディによる軽量・高剛性、そして空力最優先のデザインを特徴とする。パワートレーンは新開発の4.0リッターV型8気筒ツインターボにドライサンプ潤滑を採用。ドライブラインにはカーボンファイバー製プロペラシャフトと後部搭載のトランスミッションを組み合わせ、トランスミッションには8速AT、単一の電動モーター、機械式LSDを備える。スキルを問わず扱いやすく、それでいてマシンとの濃密な対話を引き出すことを狙ったつくりだ。
GR GT3
GR GTをベースにしたGR GT3は、世界のサーキットで戦うために設計された。市販車ベースの最上位カテゴリーであるFIA GT3規定に適合し、勝利を目指すプロとジェントルマンドライバーの双方に向けながら、運転のしやすさも大切にしている。アルミスペースフレーム、低搭載のダブルウィッシュボーン式サスペンション、そして4.0リッターV8ツインターボはGR GTと共通。速さと同じ熱量で“使える速さ”を追求したパッケージだ。
TGRは、GR GT3を高性能なレースカーに仕上げるだけでなく、国際GT3シリーズに挑むカスタマーのための最適なサポート体制づくりにも力を注ぐとしている。勝ちにいくためのベースを、誰もが扱える器に落とし込む狙いが明確だ。
Lexus LFA Concept
Lexus LFA Conceptは、BEVでありながら真のスポーツカーを志向し、ユーザーの期待を上回ることを目標に生み出された。GR GTやGR GT3と同様に、チーフドライバーのMorizoを軸とした一体的なチーム開発で磨き上げられている。
LFAの精神を受け継ぎつつ、それを進化させ、スタイルと動的性能のバランスを追求。受け継ぐべき技術とクラフトマンシップを注ぐことで、レクサスは「電動スポーツはまだ黎明期」という固定観念に挑み、自動車工学の未来像を形にしていく役割を自らに課している。電動時代のスポーツカーにどんな解を提示するのか、姿勢の明確さが期待感を押し上げる。