9年目のレクサスLSは静かに消えるどころか走りを磨き直した
レクサスLSは世代交代を見送りながら、ボディ剛性、REDS、AVS、EPSを一気に改良。日本ではLS500hを軸に、価格は1,414万円からとなった。
生産開始から9年。それでもレクサスLSは、まだ引退する気がない。世代交代は見送られたが、フラッグシップのシャシーにはしっかり手が入った。改良モデルは9月10日から日本で販売され、価格は1,414万円から。最大の見どころはボディの内側だ。センタートンネルをさらに補強し、後部のブレースにはREDSが採用された。
REDSは何を変えるのか。これは熱硬化性樹脂を用いた減衰構造で、リアサスペンション周辺とラゲッジスペースのブレースに施工し、高周波振動を抑える。さらに、電子制御サスペンションAVSと電動パワーステアリングEPSも再調整された。狙いは言葉にすれば単純だが、実現は難しい。操舵に対する反応をより自然にし、重いセダンのピッチングとロールを抑えることだ。
LSにとって、これは革命ではない。同じプラットフォームを何年も磨き続ける、その次の一手だ。2023年の改良でもレクサスは応答性を高めるためボディ剛性に手を入れ、ラジエーターサポート周辺にブレースを追加していた。今回はセンタートンネルと細かな振動へと焦点が移った。部品を変えるというより、乗ったときの感覚そのものを変えようとしている。
外観の変化はもっと分かりやすい。リアでは従来のエンブレムに代わり、大きなLEXUSロゴが入った。パノラマルーフは全グレードで選択可能になり、前方のメッシュ式ディフレクターはルーフを開けた際の風切り音低減を狙う。エグゼクティブでは、切子を思わせる加飾ガラスパネルと組み合わせられる内装色の選択肢も増えた。
そして、もっと大きな変化がラインアップにある。ガソリンのLS500は事実上、舞台を降りた。日本のレクサス公式サイトではすでに販売終了とされ、3.5リッターV6とハイブリッドシステムを搭載するLS500hが中心となる。最新の公式価格は後輪駆動のLS500h F SPORTが1,414万円から、四輪駆動のエグゼクティブが1,805万円までとなっている。
とはいえ、9月10日の改良はあくまで現行LSの話だ。レクサスがさらに大胆に再構想し始めている将来のファミリーとは別物である。LSクーペ・コンセプトでは、インテリアと素材にまったく異なる考え方を試している。だから2026年の改良は、5代目の寿命を意図的に延ばす一手に見える。派手なデザイン革命はない。それでもボディとシャシーには本気の手が入った。このフラッグシップは、まだ最後の言葉を口にしていない。