07:28 09-12-2025

日産が協業戦略を刷新:次期フロンティア基盤共有とEV共同開発でコスト最適化

日産はラインアップの厚みとコストの圧縮を狙い、パートナー探しを公然と進めている。ただし、他社のプラットフォームや技術を“買ってくるだけ”の関係には興味がないと強調する。北米日産のプロダクトプランニング責任者は、取引は双方向であるべきだと述べ、そうした相互性こそが単発のやり取りを長期的な協業に変える鍵だと説明している。荷を分かち合いながらも、主導権とブランドの個性は守り抜く――そんな意思表示に映る。

中核となる提案は次期フロンティアのプラットフォームだ。新型ピックアップだけでなく、次期パスファインダーや復活が見込まれるエクステラにも採用される予定で、ラダーフレーム構造に、V6を軸にしたハイブリッドの搭載が想定されている。パートナーがこの土台の上でモデルをしっかり差別化したい場合、日産は技術提供からリバッジ版まで幅広い形を協議する構えだ。参入障壁を下げつつ核となる商品性を薄めない――この柔軟さは、相手にとって声をかけやすい誘いになる。

幹部によれば、日産/インフィニティの大型SUV(アルマーダとQX80)や、より主流のローグにも関心が向く可能性があるという。まだ確定事項はないものの、同社は複数の候補と同時に話を進めているとする。広く網をかけるアプローチは、基準を落とさずにプログラムを加速させる現実的な手筋に見える。

EVは別の悩みどころだ。日産は電動車で規模の力が不可欠だと認めており、電動クロスオーバーのファミリーを共同開発する選択肢も排除していない。狙いは単純明快で、プラットフォームやバッテリーのコストを分担し、負担だったEV案件を競争力のある商品へと押し上げるというもの。今の市場環境を踏まえれば、数字をきちんと成り立たせるための極めて実務的な読みと言える。