ウラド・コマロフ

フォードは運転席に座らず車外からピックアップを動かそうとしている

フォードの新特許は、荷台ステップのハンドルを低速移動の操作部に変える。運転席に誰もいなくても、押すだけで前後に少し動かせる仕組みだ。

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運転席に座ることなく、ボタンを押すような感覚でピックアップを少し動かせるとしたら? フォードが特許化したのは、まさにそんな発想だ。フォード・グローバル・テクノロジーズは、車外にいる人が車両を短い距離だけ移動させられるシステムについて、米国特許第12,728,722号を取得した。特許が成立したのは2026年9月8日で、出願は2023年6月23日、公開は2024年末だった。

特に異色なのが、荷台ステップの伸縮式ハンドルに圧力センサーまたは力センサーを組み込む案だ。人がハンドルを押すと、コントローラーが入力を読み取り、駆動系へ指令を送る。強く押す、あるいは長く押すほど、移動量を大きくできる可能性がある。もちろん通常走行ではない。特許が想定するのは、前進または後退を短く制御されたパルスで行う動きだ。

そもそも重いピックアップを、なぜこんな方法で動かすのか。狙いは作業現場にある。土や砂利などのばら積み資材を降ろす際など、車両を何度も数メートルずつ移動させる状況を想定している。しかもフォードはハンドルだけに限定していない。外部操作部はボディ、バンパー、荷台側面にも配置でき、別体の有線または無線リモコンで動かす案も盛り込まれている。

重要なのは、誤作動による発進を防ぐ仕組みだ。システムは別体のデッドマンスイッチの作動を必須にしたり、操作部から手を離した瞬間に駆動力を止めたり、長時間押し続けた場合にモードをロックしたりできる。巨大なピックアップをリモコンで動かすようにも聞こえるが、大事な注意点がある。特許を取ったからといって、この機能が市販のフォード車に採用されるとは限らない。現時点では、同社がこの異例の車外操作という考え方を法的に確保した段階だ。

B. Naumkin