10:28 12-12-2025
Waymoは最先端か、テスラは追いつけるか——無人走行距離と自動運転方式を検証
イーロン・マスクがまたもやSNSで火花を散らした。欧州連合の廃止を訴えたばかりの彼は、矛先を自動運転に向け、グーグル傘下のWaymoをやり玉に挙げた。発端はGoogle DeepMindのトップ、ジェフ・ディーンの投稿で、彼はWaymoを市場で最も進んだ、かつ広く展開されているAI活用例だと位置づけた。これに対しマスクは、テスラに対してWaymoがそもそも勝ち目はないという考えを示した。
ただ、数字は別の現実を映す。Waymoはすでに完全無人走行で1億6000万キロ以上を積み上げている。一方でテスラのロボタクシーは安全オペレーターの監視下でしか走っておらず、純粋な無人走行の実績は実質ゼロに等しい。マスクは数週間内にオースティンの車両から監督者を外す計画だと述べているが、ベータ版ソフトのテスラ車が交通ルールに反する挙動を見せ、人の介入を要する様子を捉えた動画が出回るなか、業界メディアはその約束を慎重に受け止めている。意気込みは投稿できても、公道で証明するのは別物だ。
技術の本質的な分岐点は変わらない。WaymoはLiDARを中心に多彩なセンサー群を重ねるのに対し、テスラはカメラだけのビジョン方式を突き詰める。テスラの道筋はコスト面で有利で、理屈のうえでは量産車全体に広げやすい。ただ現時点では、規制当局や安全専門家からの問いかけがより多く寄せられているのも事実だ。冗長性とミニマリズムの賭けの対比が際立ち、いま議論の温度を決めているのは大言壮語ではなく、記録された無人走行距離と走りの再現性にどれだけ自信を持てるか——そう見える。