05:32 16-12-2025

Jeep、台湾市場に復帰——PG Union体制でラングラーSaharaとRubiconを導入

Jeepが台湾に帰ってきた。2010年の撤退から15年ぶりの復帰だが、同社は過去の延長ではなく“新しいスタート”として打ち出している。撤退理由をブランド側が明言することはないものの、当時の背景は想像に難くない。2000年代末にクライスラーは危機と破産手続きを経験し、現地市場は維持費の低い日本車に長らく傾いてきた。

再始動は独占販売パートナーのPG Unionを通じて行われ、口火を切るのはブランドの象徴たるラングラーだ。用意されるのは2本立て。日常の舗装路に寄り添う快適志向のSaharaはセレクトラックの自動4×4を備え、オフロードに的を絞るRubiconはロックトラック4×4に加え、デフロックとロー・レンジを装備する。日常性と踏破力をすっきり二分し、どちらの役割も曖昧にしない構成だ。この割り切りは、選びやすさにもつながる。

台湾向けの特徴として、エンジンは1本化される。カタログに3.6リッターV6はなく、約270馬力を発生する2.0リッター直4ターボのみの設定だ。効率と維持費が重視される市場では現実的な判断で、ラングラーらしさを損なわずに仕様を理にかなったものに保っている。あわせてJeepは、ショールームを8拠点、認定サービスセンターを17拠点まで拡大し、その後はライフスタイル提案を強めながらラインアップを広げる考えだ。クルマそのものと同じくらい“体験”を売る姿勢がにじむ。