02:03 17-12-2025
フェラーリがサムスンディスプレイと提携、車載OLEDで次世代コクピットへ
フェラーリは、次世代スクリーンの開発でサムスンディスプレイと戦略的提携を結んだ。韓国の同社はブランドの将来のモデルに車載用OLEDパネルを供給する。デザイン性、映像品質、そしてフォーマットの柔軟性という技術的な強みを見極めたうえでの選択だ。
フェラーリのR&D責任者エルネスト・ラサランドラは、薄く軽いパネル、限りなく深い黒、そして高コントラストが決め手だったと説明する。こうした特性は、オーダーメイドの画面レイアウトを可能にし、プレミアム領域でのユーザー体験を一段引き上げる。サムスンのOLEDによって、フェラーリはキャビンの造形自由度を高め、ドライバーとパッセンジャーそれぞれに合わせたインターフェースを用意しやすくなる。コクピットを作り込む空間として扱うブランドにとって、強力なテコになる発想だ。
サムスンディスプレイは、この協業が両社の価値観の一致を映すものだとして、イノベーションへの注力、厳格な基準、ユーザーテクノロジーの進化を挙げた。また、いまやクルマは急速にデジタルな空間へと変わりつつあり、その中心にディスプレイがあると指摘。特にハイエンドモデルではその傾向が際立ち、画面が乗員の迎え方や案内の体験を形づくるようになっているとした。確かに、画面設計ひとつで車内の印象は大きく変わる。
OLEDの採用は、フェラーリが進めるデジタル化と豊かなユーザー体験づくりの一環となる。新技術は2026年のモデルから登場する見込みで、将来のスポーツカーの室内における視覚的なインパクトと機能性をさらに高めそうだ。コントラストの効いたグラフィックと自由度の高いフォームファクターがうまく活きれば、キャビンはよりクリーンで、表情豊かな空間に仕上がるはずだ。