04:44 20-12-2025
アリゾナ州法案2059—日中の州間高速で速度標識撤去を試行、その狙いと賛否
アリゾナ州で審議中の下院法案2059号「Reasonable and Prudent Interstate Driving Act(合理的かつ慎重な州間高速走行法)」は、州間高速の一部の農村区間で日中の最高速度の掲示を外す構想だ。提案したのは州下院議員ニック・クッパー。発想の背景には、ドイツのアウトバーンや、かつてモンタナで行われていた運用がある。
法案はI-8を舞台に1年間のパイロット実施を提案する。日没後は制限を戻し、上限を時速80マイル(130km/h)に設定。対象になれるのは、過去5年間の州平均より事故率が低く、交通量が軽い道路区間に限られる。さらに、インフラや舗装状態が適切であることを条件に、アリゾナ州運輸局(ADOT)の承認が必要だ。
成立すれば、日中に速度標識なしの走行が合法となる唯一の州になる可能性がある。この提案は賛否を呼んでおり、保険業界は速度がわずかに上がるだけでも致死リスクが高まると警鐘を鳴らす。一方、支持派は条件が整っていれば多くのドライバーが現行の標識速度より速いペースで走っていると主張する。果てしなく続く空いた幹線では、標識と実勢速度のギャップは運転席からも無視しにくいのが実情だ。
支持者は、見通しの効く砂漠の直線路なら、各自が状況に応じて安全なペースを選べると考えている。承認されれば、これは法制度としても個性的な実験となり、合法の範囲でマシンのポテンシャルを確かめたい愛好家やレーシングカーのオーナーの関心を引きそうだ。成否を分けるのは、法案が強調する条件そのもの——路面の質、視界、そして冷静な運転判断。速度そのものより「どこで、どう使うか」を問う設計で、広大な砂漠の道に特有の現実にも合っている。