21:25 21-12-2025

日産NV200バネットが一部改良—安全装備と内装を強化、アウトドア仕様も追加

Nissanは、国内で多用途モデルとして根強い支持を集めるコンパクトバン/ミニバン「NV200バネット」に一部改良を施した。2026年度で生産終了が決まっているものの、最終盤でさらに日常の使い勝手を磨き、完成度を引き上げてきた格好だ。

2009年の登場以来、NV200バネットはバネット系の5代目に当たる。キャブオーバーの歴代モデルと異なり、フロントエンジン・前輪駆動のレイアウトを採用し、乗用車に近いドライブフィールを持たせているのが特徴。日本仕様は1.6リッターのガソリンエンジンにCVTを組み合わせ、4WD仕様のみ従来型のATを採用する。今回の主な変更点は、装備の充実だ。

全グレードで前方車両発進通知機能、ドア施錠に連動したドアミラー自動格納、3回点滅のコンフォートウインカーを標準化。さらに一部仕様ではターンインジケーター内蔵ドアミラーを採用し、取り回し時の被視認性を高めている。

室内も抜かりない。全席に抗菌仕様のシート表皮を採用し、前席は背骨まわりのサポート性を強化。業務ユースで長時間座る場面でも、こうした改良はじわりと効いてくる。アウトドアやカスタム志向のユーザーには、サンドベージュのボディにブラックの外装アクセントを組み合わせた「アウトドア・ブラックエディション」も新たに用意された。

改良型NV200バネットは12月15日に発売。価格は236万円から。後継は2027年に登場する見込みで、2026年の市場に向けた日産の実用モデルの中でも、この最終型は使い勝手の良さで頭ひとつ抜けた存在といえる。

NissanはNV200の“締めくくり”にふさわしい改良で、機能を現代の期待値へと引き上げてきた印象だ。コンパクトなフットプリントに加え、このクラスではいまも珍しい7人乗りという選択肢が効いており、提案としての独自性は失われていない。幅広い用途に淡々と応える確かな相棒を求める人には、結局これがいちばん理にかなう選択だと感じさせる。