20:31 28-12-2025
ホンダ N-ONE 改良型に新設定「Craft Style」 北欧レトロと効率を両立
2025年11月下旬、ホンダは改良型N-ONEの販売を開始し、特別仕様「Craft Style(クラフトスタイル)」を新たに設定した。ベースはエントリーの「Original」グレード。速さよりも空気感と細部の作り込みに軸足を置き、タイムではなくフィーリングでまとめ上げた一台だ。
軽自動車らしい取り回しの良さは健在。とくにFF仕様は全高が1550mm未満に収まり、機械式駐車場の利用も日常的にしやすい。
Craft Styleは北欧ミニマリズムに着想を得たレトロなムードをまとう。クロームのフロントグリルに、ドアミラーとドアハンドルのホワイト加飾、専用のモノトーンボディカラーを組み合わせ、落ち着きのあるクラシックな佇まいに仕立てた。主張は控えめだが選び抜かれた印象が濃く、N-ONEのサイズ感にしっくりと馴染む。
室内はツートーンのシート表皮と、温かみを帯びた色味のデコレーションパネルを採用。軽クラスでは珍しい演出だが、実用性はきっちり確保されている。変幻自在のシートアレンジで長尺物や背の高い荷物にも対応。温かなアクセントは可愛げに寄りすぎず、日々付き合える居心地へと落とし込まれている。
メカニズムは効率志向。58psを発生する自然吸気の3気筒エンジンにCVTを組み合わせ、WLTCモードで最大23.2km/Lをマークする。これはシリーズ中で最も優れた数値だ。さらに四輪駆動も選択可能で、都市型のコンパクトとしては心強い選択肢になる。日本市場に向けたメッセージは明快で、もっとも手の届きやすいセグメントでも、スタイルと丁寧な作りを両立できるというもの。控えめな出力は狙いどおりで、データもそれを裏づける。
N-ONE Craft Styleは、価格を押し上げたりハードウェアをこねくり回したりせずに、感性とディテールで勝負できることをホンダが示した例だ。定番の一本になるとは限らないが、モデルの個性を鮮やかに輪郭づける。軽量級の世界で、デザインと効率が同じ方向を向いて進む希有なケースと言っていい。