03:35 30-12-2025
L&Fがテスラ向け契約額を7,386ドルへ大幅引き下げ—4680電池と素材需要の失速が示すもの
韓国の電池材料メーカーL&Fは、2023年に締結したテスラとの契約額について、開示上の数字を従来の想定である29億ドルから7,386ドルへ引き下げたと明らかにした。なぜここまで大幅な見直しになったのか、同社は具体的な理由を示していないものの、市場はすぐにこの変化をテスラのバッテリー計画と結び付けて解釈している。数字の極端さは、サプライチェーン上流で優先順位が切り替わりつつあるという明確なシグナルとして受け止められる。
この契約は当初、2024〜2025年にテスラおよび関連企業向けに高ニッケル系の正極材を供給する内容だった。関係者やアナリストは、テスラが社内で手がける4680規格セル向けの原材料が含まれていた可能性にも言及している。しかし、電気自動車の需要は当初の見立てほど伸びず、4680プラットフォームの立ち上げも想定以上に難しい。生産能力の制約、歩留まりへの不安、ドライ電極プロセスの難しさが重なり、当面の素材需要は細っている。4680電池を採用するサイバートラックの販売に勢いが出ていないことも、その流れを示す一つの目印だ。現場の慎重さが増しているように映る。
政策の風向きが交錯し、需要も読みづらいなか、韓国の電池セクターには圧力がかかっている。サプライヤーは受注の取り消しや協業の見直しを報告し、自動車メーカーはよりクリーンな車の生産計画を調整中だ。長いリードタイムを前提に成り立つ業界だけに、こうしたリセットは、技術の実行度合いや市場の食欲の変化に対して、今のサプライチェーンがいかに敏感かを改めて浮き彫りにした。