12:08 31-12-2025
デジタル版ボルボV90クロスカントリーが示すワゴン復権とハイブリッドの現実味
電動車への熱気が落ち着き、従来型ボディが米国のショールームから姿を消しつつある今、ワゴンを呼び戻す発想はむしろ今だからこそ響く。ボルボは2026年4月から米国でのワゴン販売を終了すると公言しているが、デザイナーや愛好家たちは流れを逆に向けるかのようなコンセプトを描き始めている。
そのひとつが、デジタルアーティストのNikita Chuyko(kelsonik)が手がけたバーチャルなVolvo V90 Cross Countryだ。レンダリングは、大ぶりでスタイリッシュ、そして徹底して実用的なロングルーフを描写。現行ボルボのデザイン言語に沿い、クローズドグリルや“トールハンマー”型LED、直立したシルエット、たっぷりした荷室を備える。プロポーションの収まりも良く、懐古調ではなく今の空気をまとったクリーンな線が印象的だ。
なかでもCross Country的解釈は注目に値する。車高アップとプロテクティブなクラッディングが、見かけ倒しではない実用性を示唆するからだ。外観はEVのようにも見え、フェンダーに充電ポートらしき意匠も覗くが、関係者の見立てではハイブリッドの構成が想定されているという。このレイアウトは新世代のボルボXC70でもすでに用いられているとされ、わかりやすいひな型が示されている。
前輪駆動のセットアップは、1.5リッターターボエンジンと電動モーター、そして21.2 kWhのバッテリーを組み合わせ、電動航続は最大116 km、出力は312 hpに達する。四輪駆動仕様ではNMCバッテリーが39.63 kWhへ拡大され、電動走行は最大210 km、最高469 hpまで引き上げられる見込みだ。
見慣れたデザインに広いボディ、先進的なハイブリッド技術を合わせれば、米国でのワゴン人気をもう一度呼び起こせるかもしれない。大柄なクロスオーバーや、誰にでも合理が合うとは限らない純EVの代わりとして、控えめで効率良く、しかも有能な一台には十分な余地がある。
もしボルボがこの方向でV90を復活させるなら、プレミアムSUVと伝統的ワゴンの間を狙う堂々たる一手になりそうだ。似たようなクロスオーバーに食傷気味なアメリカの市場にとって、狙いを定めたロングルーフは、まさに求められていた“口直し”になり得る。