05:28 09-01-2026
テスラのロボタクシー「Cybercab」、商標問題で岐路に—買い取りか改名か
テスラは、将来のロボタクシーの看板となるはずだった「Cybercab(サイバーカブ)」という名称をめぐり、想定外の法的な壁に突き当たっている。2024年10月10日に大きく披露したものの、商標の確保は間に合わなかった。2025年11月になってようやく出願したところ、その名称はすでにフランスの飲料メーカー、UniBev(ユニベブ)が権利を持っていたことが判明した。
米国特許商標庁(USPTO)は手続きの停止通知を発行。形式上、他者が保有するブランドはテスラが使用できない。メーカー側は、自社のプロジェクトはよりスケールが大きく優先されるべきだと説得を試みたが、規制当局はその主張を退け、ルールは誰に対しても同じだとした。両社の接点はこれが初めてではない。UniBevは以前、「Teslaquila(テスラクイラ)」の権利も取得している。普段はローンチを綿密に設計するブランドだけに、この見落としは避けられたはずだという印象が拭えない。プロダクトの物語づくりを重視してきたテスラにとって、こうしたつまずきは期待感の温度をわずかに下げかねない。
残された道は二つ。権利の買い取り交渉に動くか、コンセプトとして示してきたロボタクシーの名称を改めるかだ。すでに大規模なブランディングを進めてきた経緯を踏まえれば、買い取りは高くつく可能性がある。一方で改名はリスクが大きい。Cybercabはサイバートラック由来の造形言語を響かせる設計思想の延長線上にあり、その糸を断てば、同社が描いてきた物語の輪郭が鈍る恐れがある。名称はただのラベルではない──語りを支える要となるだけに、次の一手が注目される。