21:21 12-01-2026

AAの最新データが示す電気自動車の信頼性と故障不安の実像

電気自動車の信頼性を不安視する声は、いまも購入の大きなブレーキになっている。それでも、英自動車連盟(AA)が示した最新データに目を通すと、実際の姿は一般に流布するイメージとはだいぶ違う。数字が語るストーリーは、常識として語られてきた不安と食い違っている。

EVは内燃機関車より路上復旧されるケースが多い

AAの出動統計では、電気自動車はガソリン車やディーゼル車よりも、その場で修理・復旧できる割合が高い。完全にバッテリーが空になるケースは発生件数のごく一部にとどまり、2015年以降は大幅に減っている。

ドライバーの不安と技術的な現実

それでも、AutotraderとAAの調査によれば、EVの購入を検討する層の44%が、旅先での故障を心配しているという。とりわけ不安が強いのは、75歳以上のドライバーと英国北東部の地域だ。一方で、英国の整備工場の81%はすでに電気自動車の整備に対応しており、所有に伴う実務的なリスクは薄まりつつある。現場の受け皿づくりのほうが世論の温度より先に進んでいる――このねじれは示唆的だ。

EV市場にとっての意味

充電拠点の拡充、内燃機関モデルとの価格差の縮小、そして広がるサービス網が、じわじわと風景を塗り替えている。情報と認識の溝を埋め、電動化への信頼を育てることを目指すのが「Electric Cars: The Facts」キャンペーンだ。こうした流れを見ると、購入の判断材料は着実に揃い始めていると感じられる。

AAの数字は、EVが頼れる存在であるだけでなく、従来のクルマより路上での再始動や復帰が容易な場面も少なくないことを示す。いまの最大のハードルは技術ではなく、長年の思い込みに近い。そして市場はその神話を少しずつ解体しつつある。総合して読めば、アップデートが必要なのはクルマそのものよりも、語られてきたストーリーのほうだ。足元の事実が積み上がれば、空気は後から追いついてくる。