ステランティスは、マセラティの将来をめぐる憶測に終止符を打つ形となった。歴史あるイタリアの名門ブランドは、売却も閉鎖もされない。新たな「FaSTLAne 2030」計画のもと、新型モデルの投入とラグジュアリーセグメントにおける明確な役割が与えられる。
ステランティスの戦略は2030年までを対象としており、600億ユーロの投資が背景にある。グループ全体では60以上の新型車と50の改良型を投入する計画だ。マセラティもその波に含まれているが、具体的な内容はまだ明らかになっていない。
現在、ブランドは2つのEセグメントモデルを準備中。1台はSUV、もう1台はスポーツクーペになるとみられている。パワートレインの詳細は伏せられているが、現在の高級車市場の動向を踏まえると、マセラティが完全なEV路線に踏み切る可能性は低い。このクラスの購入者が求めるのは、環境性能だけではない。キャラクターやサウンド、パワー、そして希少性を感じさせる所有感こそが重要だからだ。
次の大きな節目は、2026年10月に開催されるパリモーターショーとなる。マセラティはそこで、新たなデザインの方向性を示すコンセプトカーを発表する。その後、12月にはモデナで2030年までのロードマップを提示し、2つの新型車に関する詳細を明らかにする予定だ。
マセラティにとって、これは迷走状態から抜け出す好機である。過去の栄光だけを語っても、もはや通用しない。本当の消費者需要に応え、競争力を備えたクルマを投入する必要がある。