フェラーリは2026年に向けた野心的なロードマップを示した。ブランドにとって転機となる一年になりそうだ。核となるのは、Officina Tecnica OEプログラムの下で開発される初の完全電動モデル。4基の電気モーターで合計1,128hp、四輪駆動、122kWhのバッテリーを組み合わせ、航続距離は公称で530km超とされる。コンセプトはコンパクトで走りに軸足を置いたクロスオーバー寄り。ブランドの核を損なわずに現代的な実用性を求める新世代の購買層を見据えたラインアップに加わる。限られた情報からも、走りの体験を主役に据えつつ新規ユーザーの心をつかみにいく狙いがうかがえる。

2026年にはローマの後継となるフェラーリ・アマルフィも登場する。640hpのV8を搭載し、ソフトトップのスパイダーも設定される。さらに、1,050hpを発揮するハイブリッドのハイパーカー、フェラーリ 849 テスタロッサもデビュー。0-100km/h加速は2.3秒とされ、マラネロの尺度で見ても本気度が伝わる数値だ。

V6とマニュアルトランスミッションを組み合わせた少量生産のSP4 イコーナが披露される可能性もある。フェラーリは、電動化と長年培ってきたハードウェアを織り交ぜる方針で、次の10年の進路を形づくろうとしている。この均衡が保たれれば、単なる世代交代ではなく、モデルレンジが時代と時代をつなぐ架け橋になっていくはずだ。