2026年型Dodge Charger Daytonaを最上級仕様まで仕立てると、ブランドが電動マッスルの新時代へどれだけ踏み込んだかがはっきり見えてくる。Scat Pack Plusのベース価格は$67,685だが、オプションを丁寧に積み上げていくと、雰囲気は一気にプレミアムな電動セダンへと変貌する。Peel Outのボディカラーにグロス仕上げのフード、ガラスルーフ、ワイドな20インチホイールが、往年のチャージャーへのオマージュを織り込みつつ、今の時代にふさわしい自信に満ちた佇まいをつくる。

キャビンでも狙いは雰囲気と細部だ。Demonic Redのアクセントに加え、18スピーカーのAlpine製オーディオへアップグレード。荒天やサーキット走行に備えた拡張パッケージも用意される。オプションのBlacktopキットとTrack Packageは、足まわりと電子制御のセッティングをフラッグシップにふさわしい域まで引き上げる。派手さで押すのではなく、要素を選び抜いた印象で、仕上がりの合計は$83,690となる。

ダッジ・チャージャー・デイトナ
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技術面でもDaytonaは歴代Chargerの中でも屈指の速さを誇る。PowerShot作動時にはデュアルモーターが670hpを発生し、0–97km/hを3.3秒で駆け抜ける。ドリフト、ドーナツ、トラックという各モードが用意され、V8がなくてもマッスルカーの魂はきちんと息づいていることを雄弁に示す。

航続距離の目安は388km。充電は約25分で80%まで戻せる。ロングツーリングの記録を競う類いではないが、狙いは最初から明確だ。刺激、加速の押し出し、そしてスタイル――その三つを最優先したパッケージとして、与えられた使命に忠実に仕上がっている。