フォードが開発を進める新型ミドルサイズの電動ピックアップに、デザインの方向性を示す手掛かりが浮上した。新本社のプレゼンテーションで公開された一連の画像の中に、ピックアップのクレイモデルと見られるものが含まれていたのだ。急角度のフロントウインドウ、流れるようなルーフライン、張り出したフェンダー、フロントドア付近で跳ね上がるキャラクターラインが読み取れ、近くにはヘッドランプの試作品も配置されていた。全体として、ボクシーな定番よりも空力とクリーンなシルエットを重んじる構えで、航続や洗練に効く方向性と言える。

もっとも、これらの画像に写るモデルが次期電動ピックアップそのものだとフォードが公式に認めたわけではなく、この目撃情報は慎重に扱われている。ここまでブランドが公開したのは、曲面主体の空力的なサーフェスを示す1枚のティーザーのみ。具体像というより雰囲気の伝達に近く、デザインの熟成に余白を残したアプローチだ。

最近の情報では、プロトタイプはすでに公道テスト段階に達しているという。量産は2027年にルイビル組立工場で計画され、ミシガン州のBlueOval Battery Parkから供給されるLFPバッテリーを採用。駆動方式は後輪駆動、ボディは4ドアになる見込みだ。ベース価格は約3万ドルを想定しており、狙いどおりの完成度に持ち込めれば、電動ピックアップの主戦場で存在感を放つポジショニングになる。