キャデラック・エスカレードIQの勝利は、プレミアムモデルがひしめく激戦の中でつかんだもの。対抗馬にはアウディQ6/SQ6 e-tron、ホンダ・パスポート、ヒョンデ・アイオニック9、ヒョンデ・パリセード、ポルシェ・マカン・エレクトリック、フォルクスワーゲン・ティグアンが名を連ねた。競合の顔ぶれを見れば、この結果にも納得がいく。

決め手のひとつは205kWhのバッテリーだ。最大750馬力まで引き出す余裕を備え、この電動SUVは一充電あたり推定668kmの航続を見込める。

残量が心許なくなっても立て直しは迅速。約42分で5%から80%まで戻せるので、日々の移動はもちろん、長距離でも計画が立てやすい。

数字以上に、走りの身のこなしも審査員の評価を集めた。マグネライド・アクティブサスペンションは路面が変わっても快適性をきっちり維持し、精密な制御で知られる全輪駆動が難所でのダイナミクスと安心感を支える。ドライバー支援のスーパー・クルーズも、頼れる自動制御として高く評価されたという。荒れた舗装でもこの大柄なEVが終始落ち着きを保つのが好ましく、テクノロジーが静かに裏方で効いている印象だ。