次期BMW 3シリーズの目玉は、徹底的に手が入ったエンジン群だ。BMWは、おなじみの直4ターボ「B48TÜ3」を大幅にブラッシュアップして投入する。エンジニアリング面の緻密な改良を重ねた結果、出力の底上げと効率の向上が期待できるという、まさに王道の進化だ。

並行して、直6の「B58TÜ3」も大更新を受ける。こちらはパワーを高めつつ燃費を引き下げる設計で、初登場は2027年夏ごろと見込まれている。G70世代のフラッグシップ、フェイスリフト版7シリーズの生産開始と歩調を合わせる格好で、のちにM350バリアントの次世代型にも展開される予定だ。

新型3シリーズはデビュー時、2本立ての構成をとる計画だ。伝統的なガソリン仕様は「G50」の呼称を掲げ、対するピュアEVはモダンな「i3」。クラシックな駆動系を好む長年のファンから、クリーンで先進志向の購入層まで視野に入れ、3シリーズらしさを損なわずに裾野を広げる狙いがうかがえる。直6の投入タイミングを段階的にずらす戦略も、進化を着実に積み上げてきたBMWらしい手つきだ。