三菱は2025年末までに欧州市場でのコルトの販売を終了する。現行型は2023年に登場。5代目ルノー・クリオをベースにし、主な相違点は手直しされたフロントまわりにあった。新型となる6代目クリオの登場と先代の生産終了を受け、三菱はアップデートされたプラットフォームで新たなコルトを投入する計画はない。退役間近のクリオと近しい関係にあったことを踏まえれば、再びバッジだけを付け替える関係から身を引く判断は、現実的な一手に映る。

背景には需要の弱さと、SUVシフトという明確な潮流がある。2025年の早い段階で、コンパクトカーのスペーススターも打ち切られている。いま同社はクロスオーバーへ舵を切り、ルノー・日産・三菱アライアンスを通じて欧州での存在感を補強している。直近の投入モデルであるグランディスとエクリプスクロスは、ルノー・サンビオズとスケニックE-Techエレクトリックの“双子”とされ、SUVのラインアップ拡大に力を注ぐ姿勢を物語る。業界ではおなじみの計算だ。需要の向かう先に合わせ、少量販売のモデルをすっきり整理する——流れに逆らわない選択は、冷静だ。