吉利グループがついにカナダ市場へ進出した。ただし、自社ブランド名ではなく、グループ傘下の英国ブランド「ロータス」から、電気クロスオーバー「エレトレ」を投入する。このエレトレは、吉利の武漢工場で生産される。カナダにとって、これは重要な意味を持つ。中国で組み立てられた車が現地の安全基準をクリアし、すでにディーラーに届き始めたからだ。さらに、カナダと中国の貿易協定により、年間最大4万9000台の中国製EVが6.1%の低関税で輸入可能という追い風もある。

エレトレは、大衆向けの低価格EVではなく、吉利の技術力を示すプレミアムモデルとして位置づけられる。ベースグレードで603ps、最上位の「エレトレR」は905psを発生。WLTP航続距離は約600km、最大充電速度は350kWを誇る。

ロータス・エレトレ
B. Naumkin / Tarantas.News

ただし、エリーズのような伝統的な軽量ロータスとは一線を画す。車両重量は2565kg超だが、エアサスペンションや後輪操舵、アクティブロールコントロールシステムを備え、スポーティなイメージを大型電気クロスオーバーで表現しようとしている。

当面は、全国6店舗のロータス正規販売店を通じて少量ずつ納車される。今後数ヶ月でさらに6店舗が追加される見込みだ。その後、BYDや奇瑞(チェリー)など、他ブランドのカナダ参入も予想される。吉利自身も、子ブランドのリンク・アンド・コー、ジーカー、ボルボに加え、メインの吉利ブランド投入を準備している。

購入者にとって、これは新たな競争の幕開けとなる。中国製EVが安価なモデルだけでなく、ロータスというプレミアムブランドを通じて直接上陸するという構図は、ゼロから吉利ブランドを立ち上げるよりはるかにソフトな印象を与える。