広州モーターショーで、トヨタは中国市場の中核を担う2モデル、セダンのアバロンとミニバンのシエナの改良版を公開した。両車とも、より上質に見せる外観、拡充されたハイブリッドのラインアップ、そして最新化したマルチメディア機能を前面に押し出す。狙いは明快で、現地の嗜好に真っ直ぐ応える内容だ。

アバロンはフルサイズのエグゼクティブセダンという持ち味を守りつつ、見た目は一段と力強くなった。大型グリルにスリムなライティング、存在感のあるクロームのラインが、フロントをよりワイドで重厚に見せる。手を入れるべきところだけを研ぎ澄ました印象だ。

広州モーターショー / トヨタブース
A. Krivonosov for Tarantas.News

インテリアは、中央の大型スクリーンと新調されたメーターまわりを中心に、トヨタらしい快適パッケージを踏襲。存在感とハイブリッドの効率を両立させたい層を狙う姿勢は変わらず、車内のテクノロジーも「派手さ」より使いやすさをきちんと前進させた、そんな進化にとどめている。

広州モーターショー / トヨタブース
A. Krivonosov for Tarantas.News

一方のシエナは、おなじみのシルエットを保ちながら、フロントまわりをよりダイナミックに整え、室内装備も充実させた。2列目には快適なキャプテンシートを備え、インフォテインメントは見た目も動作も今どきに。ハイブリッドはこのモデルの要であることに変わりなく、性格を無理に変えず実用に寄り添う、手堅い進化に徹している。