ビュイックは広州モーターショーで2026年型「Electra Encasa」を正式発表し、旗艦MPVの先行受注を開始した。新エネルギーモデルを担うサブブランド「Electra」としては初のミニバンで、クロスオーバー中心だった路線を、より幅広い電動車の領域へと押し広げる存在だ。

新開発の「Xiao Yao」アーキテクチャを基盤に、Encasaはより流麗なプロポーションをまとい、ブランドのデザイン言語を一段とアップデートした。室内は上質な仕立てを前面に打ち出し、Momentaと共同開発した先進的なインフォテインメントと運転支援スイートを搭載する。全体の完成度は統一感があり、現代的な感性に素直に響く。第一印象は頼もしく、ミニバンという器でも方向性が明快に伝わってくる。

パワートレーンは2種類。ひとつは177 hpの1.5リッターターボに電気モーターとLFPバッテリーを組み合わせたプラグインハイブリッド。もうひとつはデュアルモーター(268 hp+174 hp)とCATL製バッテリーを採用したフル電動のAWD仕様だ。航続距離は中国のテストサイクルで最大632 kmとされる。スペック上はデュアルモーターならではの確かなトラクションが見込め、PHEVは使い勝手に柔軟性をもたらす。数字の示す期待値を、実走で確かめたくなる仕上がりだ。