スカウト復活:フォルクスワーゲンがトラベラー/テラの市販最終仕様をLAで公開—BEV/EREVと最大805km航続
LAオートショーでフォルクスワーゲンが復活ブランドのスカウト・トラベラーとテラの市販最終仕様を公開。BEV/EREV、800V・350kW充電、航続563/805km、牽引3,175/4,536kg、2026年末量産開始。米国市場向け、4WDやロッキング機構など本格オフロード装備。初回デリバリーは2027年見込み。
フォルクスワーゲン・グループはロサンゼルス・オートショーで、スカウト・トラベラーとテラの市販最終仕様を披露した。いずれも米国市場を見据えて設計されており、現時点で欧州での展開は予定されていない。復活したスカウト・ブランドは、かつてインターナショナル・ハーベスターが所有していた由緒ある名称を受け継ぐもので、フォルクスワーゲンは2020年にTratonを通じてこの名をグループに取り込んだ。

2台のSUVは2024年のコンセプトにほぼ忠実で、量産は2026年末に開始、初回デリバリーは2027年を見込む。パワートレーンは完全電動のBEVと、航続を伸ばすEREVの2本立て。会社側によれば、将来の購入者の多くはEREVを選ぶ傾向にあるといい、この選択は米国の実情にうまく合っている印象だ。
ボディ・オン・フレーム構造に800ボルトの電気アーキテクチャを組み合わせ、最大350kWの急速充電に対応。航続距離はBEVがおよそ563km、EREVは最大805kmとされる。四輪駆動やロッキング機構、切り離し可能なアンチロールバーがオフロード志向を裏付け、シャシーは最大35インチのタイヤまで視野に入れたセッティングだ。スペックの方向性は、見栄えよりも本質的な走破性を重んじている。
牽引能力はトラベラーが3,175kg、テラが4,536kg。仕事にも遊びにも応える一台を求めるドライバーに訴える数字だ。スペックからは、派手さより耐久性と実用性を優先する狙いが読み取れる。日常の足から重い荷物の牽引まで一手に担える万能さは、米国のユーザーにとって頼れる“道具”として響きそうだ。