新型Rogue Meridianは、自由に走り回りたい一方で快適さを譲れない人のための一台だ。ベースはメルセデス・ベンツ スプリンター 170インチ。そこに手を入れ、広くて自立性の高い“動く住まい”へと仕立てている。外観のアップグレードは本気度を隠さない。補強されたサスペンション、オールテレーンタイヤ、補助照明、そしてギアをしっかり固定できる実用的なマウント類。どれも見せかけではない装備だ。

このバンは厳しいルートも避けず、観光ルートが尽きる先へも自信を持って踏み込む。室内に目を移すと、ホワイトオークの温かなトーンとダークなペーパーストーンが織りなすのは、洗練された都会的ロフトの趣。限られたスペースの使い方も周到だ。深型シンクと冷蔵庫を備えたキッチン、背の高い収納キャビネット、くつろげるラウンジ、シャワーとドライ式トイレを備えたフルサイズのバスルームまで用意される。

とりわけ気が利いているのが昇降式ベッドだ。日中の居住スペースとしっかり眠れる就寝スペースを、同じ床面積の中で巧みに切り替えられる。12kWhの電装システムと高出力インバーター、空調モジュールの組み合わせにより、電源のない場所でも数週間単位での滞在が現実味を帯びる。

積載の工夫と練られた間取りによって、このキャンパーは小さなアパートの代わりとしても十分に通用する。現代のモーターホームの中でも、Meridianは完成度のバランスが抜きん出ている印象だ。安くはないが、何をもたらすかについては潔く、装備と仕立てが語る内容に余計な誇張がない。