Honda City e:HEV The Black Outshineは、セダンの印象をよりダークでクリーンな方向へ振る一台だ。フロントとリアにはブラックのHondaバッジが与えられ、テールには同調したダーク仕上げの“City”エンブレムが収まる。全体のムードは一段と引き締まった。

ブラックアウトの流れは足まわりや細部にも及ぶ。16インチのアルミホイール、ドアハンドル、ドアミラーキャップはすべてブラックに。フロントにはRS風のグリルを採用し、上部をブラックのガーニッシュでまとめることで、やりすぎずに顔つきをシャープに整えている。見ていて破綻がなく、狙いどおりのスポーティさが伝わる仕立てだ。

ボディカラーはクリスタルブラック・パールとプラチナホワイト・パールの2色展開。とくにホワイトではコントラストが明確に立ち上がり、ダークなアクセントの効き方がいっそう際立つ。

パワートレーンに変更はない。Honda Intelligent Multi-Mode Drive(i-MMD)ハイブリッドは、109 hpの電動モーターで前輪を駆動。走りの焦点はあくまでスムーズさと効率の両立に置かれている。

駆動用モーターはリチウムイオンバッテリーからエネルギーを得る。このバッテリーは、発電機兼スターターとして働くもうひとつの電動モーターで充電。ここに1.5リッターDOHC i-VTEC直列4気筒ガソリンエンジン(98 hp〈97 hpまたは72 kW〉、127 Nm)を組み合わせる。効率的と判断されるシーンでは、ガソリンエンジンがシングルスピードのE-CVTを介して高速域で直結駆動を担う。仕立てはおなじみで実績十分――演出はエクステリアが受け持ち、パワートレーンは確かなまま据え置かれている。