地味な6件の特許出願が、BYDの全固体電池の本当の時間割を語っている

地味な6件の特許出願が、BYDの全固体電池の本当の時間割を語っている
B. Naumkin
ドミトリー・ヤキン

一つの正極にハロゲン化物と硫化物、受入基準としての接触60%、そして2027年の試作生産。BYDの出願は化学から量産管理へ舞台が移ったことを示している。

BYDの6件の新しい特許出願は、素っ気ない文面の裏に隠れて見落とされがちな転換を物語る。同社はもはや化学組成の調整ではなく、量産の再現性に取り組んでいるのだ。書類には湿潤剤の塗布技術と、正極粒子と電解質の接触品質を表す数値指標が登場する。地味に聞こえるだろうか。だが、まさにこうしたパラメータがなければ、実験室のセルをパイロットラインへ移すことはできない。

libattery.netによると、BYDは2種類の固体電解質を同時に使う正極を開発している。ハロゲン化物系の細かい粒子が接触を改善し、より大きな硫化物系の粒子が高いイオン伝導率を担う。複数の出願は材料の間に保護層とバッファー層を差し込み、望ましくない化学反応を抑え込み、劣化を遅らせようとしている。

もう一つの開発はさらに興味深い。正極の内側は単結晶材料、外側の層は多結晶材料である。前者は充放電サイクル中の割れに強く、後者は高負荷時により良く働く。BYDはどちらか一方を選ぶのではなく、両方の長所を一つの構造にまとめようとしている。

とりわけ示唆的なのが出願CN122494552AとCN122494553Aだ。前者は固体成分間のリチウム輸送を改善するとされる、イオン性湿潤剤の傾斜配置を説明している。後者では指標Reが導入される。正極粒子の周囲の60%以上が電解質と接触していなければならない、という内容だ。これはもはや受入基準であり、製造工程を合わせ込むための数値である。

電気自動車のバッテリー
B. Naumkin

そして、ここからが冷や水だ。書類番号は末尾がAで終わっている。中国国家知識産権局の分類では、これは発明出願の公開を示すものであり、特許の付与を伝えるのは末尾Bのほうだ。新しい書類はBYDの研究の方向性を裏づけはするが、権利の取得も量産品としての完成度も、まだ証明してはいない。

情報源によれば、2種類の電解質を使うセルの試作生産は2027年に始まる可能性があり、その後はカモフラージュされた試作車に電池が積まれるという。この時期は、BYDの電池部門の最高技術責任者である孫華軍氏が以前示したロードマップと重なる。実証的な使用が2027年ごろから、比較的安定した商用化は2030年前後という内容だった。

決定的な壁は、依然として固体材料同士の界面である。通常のリチウムイオン電池では、液体の電解液が微細な隙間を自ら埋めてくれる。全固体セルでは、粒子が膨張し、収縮し、割れていく間も接触を保たなければならない。この界面での抵抗が上がれば、出力は落ち、容量の減り方も速くなる。

だからこそ2027年を、BYDの電気自動車がブレードバッテリーから全固体技術へ一斉に移行する年と読むことはできない。CATLの曽毓群(ロビン・ゼン)会長も同じ点を警告していた。数百万台規模での大量採用が2030年より前に実現する可能性は低い、というものだ。業界には組み立て時の加圧、界面の安定性、コスト、そして良品率という課題が残っている。

次の確認点は、また新たな特許出願ではない。エネルギー密度、充電速度、寿命、容量維持率のデータが公表された車載セルこそが、それにあたる。今のところBYDが示したのは量産をどう管理するつもりかであって、電池そのものの最終的な数値ではない。

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