フォードがトランジットの歴史でこれまでやってこなかったことに踏み切った。ディーゼル仕様を一切持たないモデルの投入だ。フォード・プロはドイツで新型電気バン「トランジット シティ」の受注を開始したと発表した。同モデルはすでに法人顧客向けの現行ラインアップに掲載されている。トランジットファミリーとしては5車種目にあたり、バッテリー電気自動車としてのみ存在する初めてのモデルとなる。ディーゼルの選択肢はない。まったくない。
ベースグレードのトランジット シティは3万5990ユーロ(税抜)から。ドイツの付加価値税19%を加えると、価格は4万2828.10ユーロまで上がる。
このバンには出力110kW(150PS)のフロント電気モーターが搭載され、使用可能容量56kWhのLFPバッテリーと組み合わされる。ショートホイールベース仕様はWLTPモードで最大254kmの航続距離を実現し、10%から80%までの充電はわずか33分で完了する。カーゴ仕様は最大8立方メートルの荷室容積と最大1275kgの積載量を備える。
トランジット シティは2種類のバンボディに加え、シングルキャブのシャシー仕様でも用意される——フォードが1トン積載クラスでシャシー仕様を提供するのはこれが初めてだ。同社はこのモデルを都市部の配送やサービス業務向けと位置づけている。パン屋、宅配業者、中小企業などが想定顧客だ。フォードが「トランジット シティ」を欧州市場に投入する計画については、以前から報じられていた。今や全仕様で受注が開始され、あとは街に最初の1台が現れるのを待つだけだ。