クルミと紙を約1000層重ねて一台の車に。Bentley Torcalの本願はこれから

クルミと紙を約1000層重ねて一台の車に。Bentley Torcalの本願はこれから
bentleymedia.com
ドミトリー・ヤキン

ベントレー初の量産EVTorcalが、約1000層のクルミ×紙の化粧材とFox Brothersと作った100%メリノス羊毛の座席を、接見前に公開した。

クルミの木材と再生紙を約50層ではなく約1000層も重ねて作る。ベントレーは初の量産電気自動車Torcalの室内に、そんな素材を使うという。しかし本当に驚かされるのは木材ではない。メリノス羊毛100%で作られた、自動車に使える世界初の素材というシートなのだ。世界プレミアまで残りび1カ月弱。ベントレーはどうやら最後の最後まで待つつもりはないらしく、Torcalが電気骆動以外で何を先騚すべきか、少しずつ明かしている。

ウールの座席には、英国Fox Brothersが協力した。純メリノス羊毛の最大の課題は、常に自動車環境での耐久性だった。そのため、ほぼゼロから作り直す形で、ベントレーの基準に合わせて生地を開発した。購入客は6色から選べる。とはいえレザーが室内から消えるわけではない。ウールは従来の座席を置き換えるのではなく、あくまで追加する位置づけだ。

二つ目の新素材はOmbre Veneerと呼ばれる。クルミと再生紙を組み合わせ、約1000層を圧縮して一つの化粧素材に仕上げる。この発想は単なる「エコ」アピールよりも契やかだ。本物の木材を手放さずに、ウッドパネルの視覚的な深みを実現しようとする取り組みだからだ。三つ目の仕上げSunburst Aluminumは、初期モデルの削り出しアルミニウムパネルを現代的に再解釈したもの。この金属加工技術は実際にベントレーの歴史的なレパートリーの一つで、今でもMullinerの高級プロジェクトで使われている。

TorcalはContinental GT、Flying Spur、Bentaygaに続く、ベントレー四つ目の常遠モデルラインとなる。ブランドはすでに「浮かぶ」ダイヤモンド形のグリルや、本物の手彫り英国クリスタルを通す光で作られた異例のデジタル装飾を公開済みだ。

電気骆動の合成音さえ、ここではありがちな電子音によるエンジン音の模倣ではない。ベントレーは本物のV8エンジンと生のドラマーを録音し、完成した楽曲はドラム、ヴィオラ、ベースで構成され、ドライバーの操作に合わせてリアルタイムに変化する。物理的な素材、本物の楽器、手作業のディテール。これらすべてが、超高級電気自動車にとって特に危険なデジタルの無菌室感を消すための、一貫した戦略と言える。

しかし技術的な数字に関しては、ベントレーは室内意匠よりもはるかに慎重だ。Torcalの公式ページでは、EU向けのエネルギー消費量や電気走行距離はいまだ型式認定待ちとされている。報道で見かける約300マイル(約483km)という数字は、現時点では最終的な認定走行距離とはいえないことに注意が必要だ。

6月のプロトタイプテストの段階では、量産仕様の大部分がまだ隠されていた。今ではカムフラージュやプラットフォームの話题から、超高級セグメントで人々が本当に対価を支払う部分へと視点が移っている。触感、素材の出所、そして量産リヶと室内が似ないという事実そのものだ。

Torcalの全体像は9月23日に発表される。現在のキャンペーンのペースから判断すると、ベントレーはそれまでにも室内や技術の個々の要素を小備みに公開する可能性がある。一方で、欧州向けの公式なバッテリーと走行距離の仕様は、いまだ未知数のままだ。

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