巨大な車体は狭い駐車場では厄介者になりがちだが、マエストロV800はその常識を覆そうとしている。Tarantas.Newsは第29回成都モーターショー2026で、このフラッグシップMPVを間近で取材した。全長5495 mm、ホイールベース3430 mmでありながら、公称最小回転半径はわずか5.4 メートル。後輪は最大±12°まで転舵し、車体半分ほどのコンパクトカーに近い取り回しを実現している。
V800を手がけるのは、JACとファーウェイが共同で立ち上げた超高級ブランド「尊界」——海外ではマエストロの名で知られる。もはやショーでの初披露ではない。中国での正式販売は2026年8月5日にすでにスタートしている。グレードは3種類で、価格は76万6000元、86万6000元、101万6000元。米ドル換算でおよそ10万7700ドル、12万1700ドル、14万2700ドルとなる。
技術面では四輪駆動のシリーズ式ハイブリッドを採用しており、ここでも中途半端さは一切ない。1.5リッターターボエンジンは発電専用に徹し、160 kWと230 kWの2基のモーターが車輪を駆動する。合計出力は390 kW、馬力にして約530 馬力に達する。65 kWhのバッテリーにより、エンジンを一度も始動させずにCLTC基準で最大340 kmを走行可能。総航続距離はCLTC基準で1335 kmと発表されており、航続距離への不安はほぼ無縁と言えそうだ。
もう一つの異色ポイントがサスペンションだ。V800は片輪を80 mm持ち上げられる800ボルトのアクティブサスペンションシステムに加え、ステアバイワイヤ方式の電子制御ステアリングを搭載する。ラゲッジスペースは758リットルで、3列目シートを畳めば1926リットルまで拡大する。
最初のモデルは早ければ9月上旬にも中国の顧客に届けられる予定で、残りのグレードの大量納車は今月末を見込む。JACとHIMAはこれまでのところ海外展開を発表しておらず、V800は当面、中国限定モデルにとどまりそうだ。