次世代の水素燃料電池クロスオーバーであるHyundai NEXOは、排出するのは水蒸気だけ。ゼロエミッション・モビリティに向けたブランドのビジョンをそのまま形にしている。最高の安全評価は、同社が保護性能を最優先している確かな証しで、IONIQ 5、IONIQ 6、IONIQ 9がユーロNCAPで5つ星を獲得してきた流れを踏まえるとなおさら説得力がある。最先端のパワートレインでも、大衆の安全基準に十分応えられるという明快な示唆だ。

新型Hyundai NEXOは、ユーロNCAPの4つの評価領域すべてで力強いスコアを記録。大人の乗員保護は90%、子どもの乗員保護は85%となった。

成人乗員を対象とした試験では、オフセット前面衝突でもキャビンの構造は安定を維持し、運転席・助手席ともに膝や大腿骨を含む重要部位を良好に守った。こうした骨格の落ち着きが、単なる健闘を真に際立つ結果へと押し上げる。

NEXOはフルラップ剛性バリア試験でも高得点を収め、側面バリア衝突では満点を獲得。センターエアバッグの効果で、後席の保護性能も抜かりがない。

子どもの保護も同様に強力だ。前面・側面の双方の衝突でダミーはすべての重要部位に良好な保護を示し、満点が与えられた。さらに、助手席エアバッグの無効化機能と明確なステータス表示、認可されたすべてのチャイルドリストレイントの装着に適合するなど、家族に効く実用性もきちんと押さえている。

ユーロNCAPはまた、強化されたeCallシステム、事故後の二次衝突を防ぐ技術、浸水時におけるドアやウィンドウの作動性の検証についても高く評価した。こうした検証の積み重ねからは、クラッシュラボだけに閉じない、現実のシナリオを見据えた安全パッケージであることがうかがえる。