2026年型ホンダ・パイロットは、ベースのSportが42,195ドルからの設定。ラインナップはSport、EX‑L、Touring、TrailSport、Elite、Black Editionの全6グレードに整理され、選びやすさが増した印象だ。

ホンダ・パイロット
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全車に新設された超ワイド12.3インチのタッチスクリーンは従来比37%拡大。最新のHMIソフトウェアにより、操作は滑らかで遅延のないものに。ワイヤレスのApple CarPlayとAndroid Autoに加え、Google built‑in、5G Wi‑Fiホットスポット機能、そして表示面積が43%拡大した10.2インチのデジタルメーターも標準装備だ。日常の使い勝手がぐっと上がる内容と言える。

快適性の底上げも図られている。セミ強化ドアガラスや追加のドア用インシュレーター、新しいフードインシュレーターなどの遮音対策により、エンジン音やロードノイズ、風切り音を低減。さらにTouringとEliteにはホイールハウスのカバーを追加し、路面からのノイズを抑えた。細かな改良だが、長距離ドライブほど差が出るポイントだ。

内装では、Touringにシートの差し色やドアパネルのステッチが加わり、ブラウンレザー内装も選べるように。Eliteと最上位のBlack Editionは、キルティングを施したウルトラスエードのシートに新しい加飾を採用し、ドアにもコントラストステッチを配した。TrailSportはブラックに加えてブラウンレザー(オレンジのコントラストステッチ付き)を選択可能となり、2列目シートヒーターが標準化。冬場のアウトドアでも頼もしい。

エクステリアは、よりアドベンチャー志向の表情へ。大型化したグリルと前後のスキッドプレートで力強さを演出する。SportとEX‑Lはグロスブラックの縁取りを備えた新しいブラックグリル、Touring、Elite、Black Editionは新デザインのグロスブラックグリルを採用。スキッドプレートはEX‑L、TrailSport、Touring、Eliteにシルバー、SportとBlack Editionにブラックが与えられ、全体の印象はよりシャープで目的が明快になった。

Pilot TrailSportの個性を強調するため、オフロード由来の意匠を持つ新しいリア用スキッドプレートを装備。テールのPILOTロゴにはトレイルスポーツのバッジに合わせたオレンジの縁取りが加わった。控えめだが、仕立ての統一感を高めるディテールだ。

ルーフレールはEX‑Lを除く全グレードで標準化。機能性に加え、見た目のアティチュードもプラスされる。ホイールはTouring、Elite、Black Editionが新デザインの20インチを履く。TouringとEliteはブラックのホイールナットを組み合わせたShark Greyの切削加工アロイ、Black EditionはBerlina Blackのアロイ(ブラックのラグ)を装着する。

2026年型パイロットは、TrailSportの本格的な悪路性能を念頭に設計されたプラットフォームを採用。乗り心地やハンドリング、全体の洗練度にも恩恵が及ぶ。パワーユニットは3.5リッターV6 DOHCで、最高出力285hp/6,100rpm、最大トルク359Nm/5,000rpm(SAE)。専用チューニングの10速ATと組み合わせ、滑らかさと素早い反応を両立させている。日常域での扱いやすさに直結する組み合わせだ。

四輪駆動システム「i‑VTM4」は全グレードに設定され、TrailSport、Elite、Black Editionでは標準装備。前後の駆動配分に加え、後輪左右へも連続的にトルクを配分してグリップを最適化することで、操縦性の精度と一体感を高めている。

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走行モードは標準で5種類(Normal、Econ、Snow、Sport、Tow)。AWDを備えるEX‑L以上では、未舗装路での安心感を高めるSandとTrailも加わる。ヒルディセントコントロールは全モデルに標準装備だ。