GMは次期型GMCシエラ1500の公道テストを継続しており、デビューは2027年型年と見込まれている。今回は、スパイカメラが最上級かつラグジュアリー志向のデナリ系とみられる試作車を捉えた。写真から受ける雰囲気も、その仕立てを強く匂わせる。

大胆な黒×白のカモフラージュがパネルやディテールを覆っていても、プレミアム志向を示すサインはいくつも見える。なかでも目を引くのが足元だ。テスト車はデナリらしい新デザインの22インチ多本スポークのアルミを履き、トレッドパターンからするとタイヤはブリヂストン・アレンザ系に近い。アレンザはデナリ系と縁が深く、22〜24インチ仕様のユーコンでもおなじみだ。

参考までに、これまでの次期シエラの試作車は18インチのホイールにブリヂストン・デューラーを組み合わせていた個体が多く、今回の個体との狙いの違いが際立つ。リア周りも完全に覆われているが、全体のテール造形は他の2027年型シエラのテスト車と整合している。

現時点の情報では、マルチフレックス/マルチプロ・テールゲートの再設計や照明類の刷新が見込まれる。ちょうどこのタイミングで、次期シボレー・シルバラード1500の特許図面が流出し、新型Gen 6スモールブロックV8の詳細も公開された。後者はGMのライトピックアップ向けパワートレイン群に加わる可能性が高いとされる。

内装については、これまでもスパイショットで大型のセンターディスプレイと新しいインフォテインメントの構成が確認されている。総じて、2027年の市場でシエラ・デナリの存在感をもう一段引き上げ、フルサイズ勢の上位に据え直すための大規模な近代化が進んでいると受け止められる。カモフラージュ越しでも、ホイールやタイヤといった上質な“見せ場”が意思を雄弁に物語り、第一印象からして高価な一台に映る。

GMCは、実用重視のグレードとプレミアム路線のあいだに、これまで以上に明確な線引きを図っているようだ。技術面のアップデートが想定どおり厚みを増すなら、デナリは再び“ラグジュアリー・ピックアップ”の指標になり得る。