ヘネシーが「クリスマス・ツリー・ラン」の伝統を復活させ、2025年の挑戦では象徴的な時速320キロに肉薄した。屋根に飾り付けたツリーを載せたまま全開で走る今回の主役は新型シボレー・コルベットZR1。32CARS.RUによれば、滑走路でおよそ時速315キロまで押し上げられたという。

発想は突拍子もない。だからこそ目を奪う。極端な性能を持つ市販車に点灯したツリーを括りつけ、空力が最強のライバルへと化す領域で限界を探る。見た目はお祭り騒ぎでも、高速域で空気抵抗がどれほど容赦ないかを、これほど端的に映し出す場面はそう多くない。

起用車種がZR1なのも理にかなっている。2026年仕様では5.5リッターのフラットプレーンV8に2基のターボを組み合わせ、公称1,064馬力を発生。8速トランスミッションを介してその力を引き出す。今回はZTKパッケージ装着車で、大型リアウイング付き。ダウンフォースを生む一方でドラッグも増えるうえ、その上には全長1.5メートルのツリー。気流の中では“レンガ”のように振る舞ったはずだ。この速度域では些細な要素がすべてブレーキになる——だからこそ、今回の到達値はいっそう印象深い。

チームはツリーなしの確認走行にも言及している。滑走路の距離が限られるため早めにアクセルを戻したものの、ZR1は時速330キロに達していたという。