Audi S3 Sportbackは、派手なRS 3の陰に隠れて注目をさらう機会は多くない。だがMTMは、この“ジュニア”が兄貴分を上回り、AMG A 45 Sにも堂々と挑めることを示してみせた。素性の良さが掘り起こされると、S3は一気に主役に躍り出る。

MTMは4段階のアップグレードを用意し、最上位のStage 4では2.0 TFSIが480 hpを発生。S3はコンパクトな弾丸へと変貌する。0-100 km/hはわずか3.2秒—2010年代の多くのスーパーカーより速く、純正のRS 3を明確に上回る。エントリーのStage 1でも360 hpに達し、ノーマル比で約0.5秒の短縮を実現する。

キッツビューエルでAuditographyが撮影したイメージは、その変身ぶりを雄弁に物語る。鮮やかなイエローのボディにグリーンのアクセント、新設のエアロキット、そして19インチホイール。佇まいはまるでミニレーサーだ。キャビンにはバケットシートとロールケージを備え、トラック走行に照準を合わせた操縦性と剛性を優先。公道でも目を引くが、真価を発揮する舞台はサーキットだと感じさせる。

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ノーマルのS3は333 hpで、0-100 km/hは4.5秒。しかしMTMの手にかかれば、走りのステージが一段上がる。加速の面ではAMG A 45 Sと肩を並べ、標準仕様のRS 3を射程に収める。フルメニューを施せば、わずかに先行する場面も見えてくる。

このビルド“MTM Clubsport”は、ホットハッチが手枷を外すとどれほど過激になり得るかを体現する存在だ。主張の強い見た目は好みが分かれそうだが、パフォーマンスについては迷いなく頷ける。どの角度から見ても、狙いは明快である。